威張る人

威張るというのは、どういうことかと考えると「当面問題になる上下の別を、別の事柄にも適用する」ということだろう。
つまり、上司が部下に指示をするのは、べつに威張っているとは言わない。当面問題になっているのが、業務の遂行であり、それについて上下の別があるのだから当然のことをしているだけだ。一方、部下を休日に呼び出して自分の家のバーベキューに参加させたら、それは業務とは関係がないことだから、威張っていると言われても仕方がない。
店員に横柄な口を利く人は、他の客からも嫌われるものだが、それは契約の主体という関係以外で威を発揮しようと思うからであって、威張っていることの典型だ。
思うに威張っている人というのは、「当面問題になる上下の別」の範囲を勘違いして、権限の範囲外で威力を発揮しようとしている人であって、自分を高く買っている人ということではないだろう。そして、勘違いが元にあるのだから、本人に威張っているというつもりがないのは、むしろ当然といえよう。