キラキラネーム

相変らず、いわゆるキラキラネームは元気で、劇的に減ったりはしていないようだ。
「あんな名前をつけるなんて理解できない」という人もいるが、理解しがたいものを理解しようとしてみるのは悪いこどではあるまい。
キラキラネームの隆盛の前にも流行の名前というのはあって、古いところでは昭和初期あたりの一文字名前の男子とか、その後も長く続いた女子の名に子をつけるなどというのも流行だったと聞く。もう少し新しいところでは、萠とか美咲とかいう名前をずいぶん見掛けたもので、あれも流行だったわけである。
してみると、キラキラネームを理解する上で大事な点はどこにあるのだろう。
「読めない」ということを言う人はたしかに多い。しかし、その理由は漢字で自然に表現できる音がそう多くないということの結果に過ぎないように思える。
むしろ、キラキラネームの大事な点は、同世代の人の名前に同じものが少ないこと、なのではないだろうか。
人と名前が違うことに人生を輝かせる何かを感じるどうかか、ここにポイントがあるような気がする。
そう考えてみると、古来より人は子どもの名前にさまざまな思いを込めてきたのだから、あくまでその一環と考えることもあながち不自然とは言えないだろう。
もしそう考えても溜飲が下がらないなら、「謙虚な生き方こそ真に輝かしいものであるゆえ、キラキラネームの人はその名に恥じぬ謙虚な人生を全うされたし」と、心の中で唱えるのが、精神衛生によろしいだろうと思う。