「モテる」ことと「彼女/彼氏がいる」ことについて

不思議に思いながら、疑問を口に出せぬことがある。
そうした疑問の一つが、「彼女/彼氏がほしいというのと、モテたいというのは別の事なんじゃないの?」ということだ。私の感覚からすると、モテるというのは、こちらから何のアプローチをしなくとも複数の異性に興味を示されることで、「向こうからアプローチしてくる」と「複数」という 2 つの条件が必要になる。
一方、彼女/彼氏というのは一度に複数付き合うというのは至難の業で(やったことないけど、たぶんそうだ)、向こうからアプローチしてこなくても構わない。
ただ、どっちのハードルが低いかというと、それは人によって違うわけで、モテるのだけれども彼女/彼氏というのが全然できないという人もいるし、全然モテないのだが彼氏/彼女がいるという人もいる。
ともかく、この 2 つのことは、まるで別のことなんではないか、と思うのだ。
だが、これはおそらくオッサン的発想なのだろう。オッサンはロマンチストであるから、「モテれば接触の機会が増えて、その結果彼氏/彼女ができる可能性が高くなる」などという算術がわからぬだけなのかもしれない。あるいは、今やモテるということが、たんに彼氏/彼女がいるということと同義になってしまっているのかもしれぬ。さらに、じつは事情は以前と変わっていないのだが、SNS の発達によって、私の観察にバイアスがかかってしまっているのかもしれない。
しかしまあ、こういう話題は場合によっては挑発的なものになるようなので、リアル世界で口に出すなんてことは、礼儀の面からいっても、自己防衛の面からいっても、絶対にできぬ。最悪セクハラになってしまう。またオッサンとしては、一組でも多くのカップルが生まれれば景気が良くてまことに嬉しいのであるが、そんなことも嫌味以外何物にも聞こえないという向きもあるだろうから、これもこっそり祈っておくにとどめるのである。