ゴッサム

ゴッサムというと、バットマンの活躍する町であるが、辞書(ODE)を引いてみると 2 通り載っていた。
一つはニューヨークの別称ということで、バットマンの話はこのへんから名前を取ったようだ。元々は、アメリカの作家ワシントン・アーヴィングがつけたあだ名だという。
もう一つのゴッサムは、イギリスのノッテンガムにある実在の町である。この町は、「ゴッサムの賢人」などの民話に登場することで有名だ。
この話は、王の不興を買ったゴッサムの住人たちが、町の「賢人」の発案によって揃って馬鹿の真似をし、王命により取調べに来た役人に「全員馬鹿だから仕方がない」と思わしめ、難を逃れたというもの。
馬鹿の真似の一例を挙げるならば――ドアを背負いて歩く男あれば、役人呼び止めてそのわけを問うに、男答えて曰く、「家に金を置いて旅に出るゆえ、盗人にドアをこじ開けられ金を盗まれるを防ぐゆえなり」と。
このイギリスのゴッサムが、ニューヨークのあだ名に結びついていくのかどうかは、調べていないのでわからない。